海外で働く日本人が増えてるみたい。
海外の看護師事情ってどうなんだろう。
ワーキングホリデーで看護助手として働く人も増えてるみたいだね。
給与はなかなか上がらないのに、人材不足から業務負担は増大・・。
そして、看護師の職地位も低めであると感じることはありませんか?
このような事情から海外で看護師として働くことも視野に入れている人も多いのではないかと思います。
本記事では、海外の地位や看護師事情について紹介します。
・欧米では、看護師の歴史が古く、しっかりとした地位が確立されており、尊敬される職業である。看護師の中でも資格が細分化されているためどの資格で働くかにもよるが、全体として日本の看護師より給与もかなり高い。
・アジア では、糞尿を扱う仕事は底辺の職業だとされ地位が低い傾向にある。給与は、国全体の平均給与を下回る場合が多い。
アメリカ
アメリカの看護師は、医師と同等に意見を言ったり権限を持っています。
また、あらゆる業務において独立した権限を持ち、医師に相談せず自分で判断し患者に対応することが可能です。
勤務する病院の所在地や規模などによっても異なりますが、一人あたりの受け持ち患者数は平均4〜5人程度と少なめで自分の担当以外の仕事をすることはまずありません。
そしてアメリカには、日本の正看護師と同じRegistered Nurse(登録看護師)という職の上に、「NP」と呼ばれる資格があります。
NPは、医師と看護師の中間職と位置づけられており、医師と同じような業務を任されます。
さらにNPは病院を開業することもできるため、その地位の高さが伺えます。
給与:
アメリカの看護師の平均給与:$70,000(約750万円)/年 (USニュース&ワールド・レポート)
※高度看護実践看護師になると、年収が1000万円~1300万円にあがることも。
アメリカの平均年収は、$94,700(約1,319万円)「Salary Explorer」
地位も給与も高いなんて、羨ましいですね!
イギリス
イギリスの看護制度の基礎を築いたことで知られるナイチンゲールはとても有名です。
諸外国では仕事よりもプライベートの時間を尊重する風潮があることで有名ですが、それはイギリスの看護師にも該当するようです。
労働組合を中心に、看護師の労働環境の見直しや制度の改善などを積極的に推進しており、労働者が守られているという印象が強いのがイギリス。
待遇面も日本に比べて手厚く、「看護師が病気で欠勤した場合、減給はなし」や「残業代は時給換算1.5倍~2倍を支給」などがあります。
そのため、結婚・出産しても職場復帰する看護師が多く、ワークバランスを実現できる職の一つとなっています。
給与:
イギリスの看護師の平均給与:33,920ポンド=約510万円/年
イギリス全体の平均:31,461ポンド=約470万円/年(引用元:The average salary (UK) for 115 different jobs)2021年
看護師の給与は日本とイギリスもあまり変わらないですね。
カナダ
カナダでは看護師という職を重んじる風土があり、適正なスケジュール管理のもと、勤務時間が賃金にしっかりと反映されてます。
日本のようなサービス残業という概念は一切なく、日勤の場合、勤務時間が午前7:30から午後3:30までと決まっていて、それ以上働くことはまずありません。
また、週5日働くと年間で4~6週間のバカンスがもらえるそうです!
カナダでは看護師は人気の職業のひとつです。
給与:
カナダの看護師の平均給与:約650万円~750万円(65,000ドル~75,000ドル)/年 (LIVING IN CANADA)
※ナースプロテクショナーの平均給与は約1100万円(104,000ドル)/年
カナダの平均の給与:約600万 円(55,806.40ドル)/年 (カナダ統計局)
日本の看護師の給与より圧倒的に高い!残業がないとは羨ましい!
オーストラリア
オーストラリアの看護師も労働条件が良く、社会的地位も高く評価されています。
しかし、かなり多忙を極めるとも言われています。
給与は、看護系大学を卒業して年収約500万円程度。
7年目では約700万円程度だとか。
これは勤務する州や医療機関によっても異なってきますが、ボーナスや退職金というものは存在しません。
オーストラリアでは労働条件を良くするために、度々ストライキが起こったりするそうです。
給与:
オーストラリアの看護師の平均給与:約540万円($77,801)/年(indeed)
オーストラリアの平均給与:約711万円($103,356)/年(indeed)
給与は、日本より少し高めですね。
中国
看護師不足が非常に深刻化している中国。
どの医療機関も人手不足から、看護師一人あたりの業務内容は相当ハードなものになっているようです。
日本で当たり前となっている患者さんの生活介助も、中国では家族が病院に泊まりこんで看護師の代わりに看護を行うというような状況です。
看護師が慢性的に不足している理由として、長時間労働や深夜勤務といった過酷な労働環境や、患者や家族から尊敬されないという地位の低さ、時には患者から暴力をふるわれることもあるのだそう。
病院そのものも中堅ポジションとなる労働力が欠乏しており、経験の少ない若い看護師がほとんどで医療技術の低下も問題になっています。
給与:
中国の看護師(経験年数1〜3年)の平均給与:約225万円(149,137人民元)/年
中国の看護師(8年以上の経験年数)の平均給与: 約393万円(260,402人民元)/年(SALARY EXPERT)
中国全体の平均給与:748万円/年(平均年収.com)
患者や家族から尊敬されないなんて悲しい・・
フィリピン
アメリカの看護教育を採用しているフィリピンでは、看護師の技術レベルも高いと言えます。
また、医師が常駐していない離島や農村部では、地域に住む人々の健康管理を全て担うことになるため、縫合や処方・投薬も行います。
フィリピンの看護師事情は他国と比べると複雑です。
日本でもフィリピン人看護師の受け入れが始まっていますが、フィリピンの看護師は海外へ働きに出る人が多いようです。
その理由として、フィリピン国内よりも海外の先進国で働く方が賃金も良く、労働環境も整っていることが挙げられます。
海外で働くことを目指す看護師は年々増加傾向にあります。
そのため、フィリピン国内では看護師不足が叫ばれるだけでなく、それに伴って看護師の質の低下という問題が起こっています。
給与:
フィリピンの看護師の平均給料:約8万円(3万7000ペソ)/月(Average Salary in Philippines 2020)
フィリピンの全体の平均給料: 約11万円(5万600ペソ) /月
技術が高い看護師が海外に出てしまうとは、切実な問題ですね。
インド
インドで看護師の地位・給与は低いです。
インドで看護師の社会的地位が低い背景には、宗教が大きく関係しています。
インドでは看護師になるのはキリスト教徒だという認識が今もあります。
キリスト教徒は全体の2.3%と少なめ。
ちなみに、1位:ヒンドゥー教徒79.8% 2位:イスラム教徒14.2%となっています。(引用元:インド基礎データ|外務省 – Ministry of Foreign Affairs, Japan)
ヒンドゥー教徒では、浄と不浄という概念があります。
体液や汚物に触れる機会がある看護職へのイメージは、あまりよくありません。
イスラム教だと、女性看護師の場合、患者が男性だった際に「見ず知らずの男性に触れる」ということがハードルとなってしまいます。
また、インドでは国民皆保険制度が整備されておらず、保険の加入率も低めとなっています。
そのため、公立病院では薬代のみで受診料は無料であるところがほとんど。
こうした医療事情も看護師の給与に関係しているようです。
給与:
インドの一般看護師:10000ルピー~(約20,000円)
インドの大卒初任給は、25,000INR≒約35,200円 (引用元:平均年収.jp)
物価は安いですが、かなり給与が低いことがわかります。
日本
最後に、わが国日本。
給与:
日本の看護師の平均年収:4,727,000円
日本全体の平均年収:4,673,000円(引用元:看護師の年収、国税庁)
看護師の給与は一般的な平均給与より高めではありますが、夜勤や長時間労働をしていることを考えると決して高くはないと感じます。
まとめ
最近は、ワーキングホリデーで看護助手として働きに行く人も増えているようです。
海外で看護師資格を得るのはハードルも高かったりするので、まずはこのような制度を利用するのもよいかもしれません。
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